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椅子カスタム改

日記です。

逆スパルタンX

みなさんスパルタンXというファミコンのゲームをプレイした事がありますでしょうか?なんか恋人を助けるために敵を倒しながら階段をのぼっていって最上階を目指す。といった内容です。

僕の人生でかつてこのゲームとは対照的なシチュエーションがありました。

 

それは僕がなんとなくビッグになりてえというIQ27ぐらいの考え方で田舎から上京した時の事です。ピザ屋のバイトでヤクザに脅されながら貯めた14万という超大金を持ってさっそうと東京の地に舞い降りたのです。

 

住むとこはとうぜん無いので住み込みの新聞配達のバイトを始めました。橋下弁護士みたいな店長が迎えに来てくれて、出会った瞬間に「つけ麺くう?」と言ってきたのでこいつ只者じゃねえなと思いました。新聞配達は500部ぐらい配らないといけなかったので全然家が覚えられなくて大変でした。地元の新聞配達ではシューマッハばりのタイムラップを刻んでいた僕ですが東京というドリームタウンではどこにでもある石ころでした。社員寮の部屋は3畳ぐらいで窓を開けたら30センチぐらいむこうにとなりのビルの壁があったので圧迫感が刑務所みたいでテンションあがりました。この社員寮は7階建ぐらいでクソみてえにせまく、2階あたりにきったねえ食堂があって飯がタダで食えるという最強の設備でした。だいぶあったかい時期なのに部屋にずっと常温で置かれているネギトロ丼を食べさせてくれる徹底した衛生環境でした、同じバイトの女の子でよく飯の時間が一緒になるみんなから節子って呼ばれてる子がいました。なんでそんなアダ名なんすかって聞いたら「自分でハサミで前髪きったらガタガタになって火垂るの墓の節子みたいになったから」って言ってました。

この時点で僕はとんでもないところに来てしまったのではないかと思い始めていました そしてなんかすごい寂しくなってきたのでこの寮から脱出して地元に帰る作戦を立て始めましたのでした。

名付けて逆スパルタンX作戦です。ゲームのスパルタンXでは階段をのぼって目的を達成するのが目的ですが、僕は6階に住んでいたので階段を降りて社員や店長をかいくぐり1階の出口から脱出しなければならないといった状況から命名されました。荷物を持って夜に逃げるという昔からの伝統的なスタイルで行くことにしました。ですが新聞配達は朝早いので、常に社員や店長が寮を徘徊しているのでタイミングが重要です。

 

結構当日、新聞配達は深夜2時スタートだったので1番人が手薄になる0時に脱出を始めました。いきなりデカイ荷物を持って人と鉢合わせすると明らかに逃走しようとしてるのがバレるのでまずは何も持たずに逃走経路の確認を始めました。入念な計画を立てても必ず不足の事態があるのが人生ですがこの時もやはりそうでした。普段はいるはずのない店長が1階で守護神のように陣取っていたのです。店長がいなくなるまで何度か確認して脱出してもよかったのですが、何度も1階に降りてきては怪しまれる可能性があると思い、いったんコンビニに外出して戻ってきて確認するといった無難な作戦にしました。コンビニにいってぜんぜんいらないメンチカツサンドを買って寮に戻ると店長はまだなんかイスにすわっていました。僕を見ると「どう?仕事は慣れた?続けられそう?」と聞いてきました。 いまから逃げるわけなので続きそうですと嘘をつくのが嫌だったので

「がんばります!」と底抜けの明るさで返事をして部屋に戻りました 店長がいなくならないと1階からの脱出はほぼ不可能なので若干あせってましたが15分後また見に行くといなくなっていたので速攻でカバンを掴み、銀行強盗のような出で立ちで6階から1階まで駆け下り、脱出に成功しました。最寄りの駅から新宿駅までたどり着いた時に兄貴にラインで夜逃げなうと呟きながらすさまじい開放感につつまれたことを覚えています。しょうもないですが人生で1番脳内麻薬がドバドバでていたと思います。

 

とりあえず遠くにいったん逃げるということで新宿駅まできたのですが、ちょうど終電で電車がなくなり、目標の東京駅までは徒歩やタクシーで向かいました。これからの人生でタクシーに乗ってあり金だして「これで東京駅までいけるとこまでいっください!」と叫ぶことはもうないでしょう。